野生シカ、うまい対策…ジビエ料理を売り込み
長野県はJR東日本と連携し、15日から、野生のシカの肉を「ジビエ」として食材に活用し、長野市や首都圏で料理を提供する「信州ジビエフェア」を始める。
県内ではシカによる農作物被害や鉄道車両にぶつかる事故も多いことから、鳥獣被害対策として取り組む一方、ジビエやその料理を県の名物として、観光客の誘致もねらう。
「ジビエ」とは、狩猟により捕獲された野生鳥獣の食用肉を意味するフランス語。欧州ではその味が一般的に親しまれている。中でも鹿肉は、低カロリーで高たんぱく質、鉄分も豊富に含むヘルシーな食材で、ハンバーグやシチューなど、様々な料理にアレンジされている。
県鳥獣対策・ジビエ振興室によると、県内の鹿肉出荷量は全国2位。これまでのピークは2011年度の14・2トンだが、17年度は27トンまで引き上げることを目指しているという。
11日、県庁で記者会見した阿部知事は「ジビエといえば信州と定着させていきたい」と意気込みを語った。
信州ジビエフェアは、15日から来年2月15日まで開催される。
首都圏の駅構内にあるJR東日本グループの飲食店ではすでに、信州産鹿肉のハンバーガーやカレーが提供されている。これに加え、JR上野駅で今月26~28日に開かれる特産物市や、東京・銀座にある県のアンテナショップで20日と来年1月22日に開催のイベントでジビエをPRする。
長野市内の飲食店では「信州ジビエ食べ歩き」を開催する。今月15~30日に8店が、お茶漬けやドリア、ピザなど、趣向を凝らしたジビエ料理を提供する。
http://www.yomiuri.co.jp/national/20151111-OYT1T50189.html