【三国志×位置ゲー】スマートフォンゲームアプリ『見つけて!三国志』
宮城谷昌光さん 12年がかり「三国志」完結
三国時代の本当の姿がここにある。宮城谷昌光さん(68)が
12年がかりで完結させた中国歴史小説『三国志』(文芸春秋、全12巻)は、そう思える渾身(こんしん)の大作だ。
広大な大陸を舞台に後漢中期から三国時代の終焉(しゅうえん)まで、約160年の長大な時間と向き合うことで何が見えてきたのか。
「演義」排し正史に立ち戻る
乱世に現れた劉備(りゅうび)、関羽(かんう)、張飛(ちょうひ)の義兄弟が、諸葛孔明(しょかつこうめい)という名軍師を得て、曹操(そうそう)、孫権(そんけん)らと覇を争う三国志。その一般的イメージは、後世に小説化された「三国志演義」によるが、諸葛孔明の天才ぶりや曹操の悪役像など、勧善懲悪的な誇張や虚構も多い
「『演義』の劉備は、とりまく人間の中心にいる台風の目のように真空で無個性。
でも彼は彼なりに真剣に考えて行動したはずで、結果的に仏教に近い生き方をした。
ただ、その劉備が三国の一つ蜀(しょく)を得て満足してしまったことで問題も出てくる……」魏の曹操は、重臣の諫言(かんげん)も聞き、実力主義で優れた才能を活用してゆく。
呉の孫権は晩年、後継者問題を混乱させて賢臣を殺し国の衰亡を早めてしまう。
「今なら重臣は中間管理職で、君主が社長でしょうね」
人と好機をどう生かすか。あまたの実例から、現代人が学べるものは少なくない。
「三国志は一言でいえば、諫言の連続。重臣が君主を怒らせずに諫言するのも、君主が部下の多様な意見から正しい意見を見極めるのも難しい」。
そういうことを考えさせてくれるのが、「歴史の面白さ」という。
http://www.yomiuri.co.jp/book/news/20131008-OYT8T00519.htm