昨今、入社1年目の社員が早々に退職をする件数が、右肩上がりに増えています。「そもそも希望の会社でなかった」「やりたい仕事をさせてもらえない」「イメージと違った」「希望した配属先ではなかった」など、退職理由はさまざまです。
その中でも、ここ数年で現れ始めた理由に「会社の電話に出られない」というものがあることをご存知ですか?会社にかかってきた電話に自ら出て、話をしたり、取り次いだりするのが怖く、次第に会社に行くことすら辛くなる……というものです。
■ 「電話恐怖症」の背景にある、2つの要因
「こんな理由、少し前までは考えられなかった!」「ゆとり世代は打たれ弱すぎて困る!」と思われる方も少なくないでしょう。ですが、そこは冷静に。どうしてこのような理由で「離職」にまでいたってしまうのか、きちんと検証してみましょう。
一昔前まで、家庭には1台の電話しかなく、たいてい玄関かリビングに置いてありました。ということは、小さい頃から多かれ少なかれ、家族が「電話に出て話している」姿を目にしていたはずです。
また、子どもであっても電話に出たり、取り次いだり、正確に伝言を受け取れず「なんでちゃんと聞いておかなかったの!?」と怒られたりするわけです。
ところがここ十数年では、防犯上、家庭の電話機に子ども出さないという方針の家庭が増えました。
また、ナンバーディスプレーが普及したのと同時に「知らない番号からの電話には出てはいけない」と教育される家庭も増える傾向にあります。
それが会社に入った瞬間、誰からかかってくるか、どんな用件か、まったくわからない電話に対応することを求められるのです。
緊張はマックスになり、「電話の音が鳴るだけで冷や汗が出る」と訴える人もいます。
このように、そもそも電話というものへの接し方がわれわれ世代と劇的に違う若い世代に対して、新人研修で1回教えたくらいでできるようになれというのは、非常に酷なことなのです。
しかもたいていの企業の場合、研修の内容はその企業のルールや最低限のマナーに関するもので、根本的な「電話の出方」を教えるものではないでしょう。
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20151102-00090648-toyo-soci