今夏、七尾市能登島のイルカウオッチングが行われている入り江で、水上バイクの観光客らによるイルカを追い回す行為が相次いでいたことが30日、分かった。
中には約3時間にわたって続ける悪質なケースもあった。現場周辺への乗り入れに法的問題はなく、操縦者のモラルに任せるしかないのが現状だが、事態を重く見た能登島観光協会はホームページでの注意喚起を検討するなど対策に乗り出した。
七尾市能登島祖母ケ浦(ばがうら)町の「カタネの入り江」には、ミナミバンドウイルカ9頭が生息しており、船で巡るツアーは能登島観光の目玉の一つとなっている。
地元関係者らによると、今月11日、20~30代とみられる約20人が乗った12台の水上バイクが入り江に進入。イルカに近づいて写真を撮り始め、約3時間追い回した。
地元男性が数回にわたって止めるように声を掛けたが、聞き入れられなかった。入り江にはウオッチング船3隻もいて、約20人のツアー客は興ざめした様子だったという。
地元男性は「彼らは『名古屋方面からイルカを見に来た』と言っていた。あまりにもモラルがない」と憤った。
イルカは普段、能登島沖を移動しており、この出来事との因果関係ははっきりしないが、これ以降、入り江ではイルカを見掛けないという。
地元漁師によると、入り江周辺では今夏、イルカを驚かせようとして、猛スピードで航行する水上バイクがたびたび目撃されている。
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