政府も認めた…「米輸送艦による邦人退避」はあり得ない事例
【米国総務が「軍は関与せず」と明言】
公明党が集団的自衛権の行使を“限定的”に認めそうな気配になっている。
彼らが「国民の生命が覆される事態」ともっともらしく主張しそうなのが、安倍首相が先月の“紙芝居会見”で、真っ先に提示した「戦争時に日本人が乗った米輸送艦を護衛する」事例だ。
しかし、そんな事例があり得ないことは、多くの専門家が指摘してきた。そしてついに、政府関係者も認めたのである。
11日の衆院外務委員会。民主党の辻元清美議員が、「米輸送艦による邦人輸送」について、過去に例があるのか質問したところ、外務省領事局長は「海外における邦人の退避の事例については、過去の戦争時に米輸送艦によって輸送された例は承知しておりません」と明言した。
さらに驚いたのは、辻元議員がこう質問した時のこと。
「米国政府は、すべての外国政府は自国民の避難についての計画を立て、米国政府の手段に依存しないことを求めている。
防護の要請どころか、米輸送艦による日本人の避難は想定していない。
この米国の方針を知った上で、米輸送艦護衛の事例を提示したのか」
これについて、官房長官の代理で出席した加藤官房副長官は「米国の方針はその通りだ」とアッサリ認めたのである。
元外務省国際情報局長の孫崎享氏が言う。
「ちょっと調べれば分かることですが、米国務省領事部は、米国民に対してさえ、民間人の輸送に米軍は関わらないと宣言しています。『米軍運搬手段や軍事エスコートがついた輸送手段は現実というよりハリウッドの脚本である』『多くは商業的輸送手段や地域のインフラに依存する』と公式見解をHPで示しているのです。
自国民も輸送しないのに、外国人の救出など考えられません。この事実を政府が認めた意味は大きい。
集団的自衛権の行使を容認するために国民をだますにはどうしたらいいか。日本人の命を前面に出せば、反対できないだろう。
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