福島で5月、ラジオ放送での献血呼び掛けに大勢の人が集まり、通常の約2倍の血液が集まったことが話題となった。
良い話だが、一方で反動を心配する声も上がる。
輸血を必要とする患者に血液を安定的に届けるには年間を通じて多くの人から継続的に献血をしてもらうことが大事なためだ。
若い世代の献血が減る中、一時的でなく、継続的に献血してもらうにはどうすればいいのか。
◆若年層は減少傾向
厚生労働省によると、ここ数年、献血者数はほぼ横ばい。
世代別では10、20代の減少傾向が顕著で、この10年間で3割以上も落ち込んでいる。
そんな中、岡山県赤十字血液センターでは平成25年度の10代献血者数が前年度に比べて34%増え、中でも高校生が62%増と大きく伸びた。その結果、全体の献血者数が8年ぶりに9万人を超え、21年度以降、他県の協力を仰いできた輸血用血液を自前で確保できた。
受付時間の延長や献血施設近くの学校への協力依頼が功を奏したようだ。
「曜日によって高級アイスクリームを提供しており、これが口コミで広がった面がある。
ただ、この方法が今後も効果的かは分からない。献血は継続して協力してもらうことが大事で、定期的に足を運んでもらうために仕掛けを工夫する必要がある」(同センター推進課)厚労省は安定的に献血者を確保するため、今年度中に集団献血の協力企業を5万社、複数回献血者を年間120万人まで増加させる目標を立てており、キャンペーンなどで継続的な協力を訴えている。