秋元康は、6月13日のTBSラジオ『ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル』に生出演した際、アイドルグループの運営、管理について次のような話をしている。
面白がってこれはこうしよう、あれをこうしようってやる時代は終わりましたよね。いままではマイナスなことや出来事を、ある種の地下アイドルの延長線上として、シャレでやってたところがあるじゃないですか。でもそれがだんだんもう、何をやってもシャレにならなくなってきたところで、それで「万策尽きた」という言葉を使ったんですけども。
「万策尽きた」というフレーズが用いられた2013年の放送時に秋元が語っているのは、実のところ恋愛禁止がAKB48のルール「ではない」ということだった。
秋元は、「僕は、恋愛禁止っていうのは、ひとつのネタとしては歌にしたり、ネタとしては「そうだよな、うちは恋愛禁止条例だからな」って言ったりしてるけれど(略)、決して恋愛が禁止なんではなくて」と切り出しつつ、同番組のパーソナリティを務める宇多丸との対話の中で次のように語る。
秋元 そうそう、一貫してない、と。それは、ルールがないからなんだよね。
宇多丸 そんなものは、本当はないから。
秋元 うん。ルールがないし、ペナルティの規則もないから。
このあと、秋元はメンバーのそれまでの経緯やキャラクターによって処置を考えるという趣旨の発言をしつつ、そこでどのような処置を考えても「狙っているように思われちゃう」として、そのことを「万策尽き果てたかな」と表現している。つまり冒頭に載せた発言は、「恋愛禁止」を含め、「シャレ」として繰り出してきた「ネタ」が、「ネタ」として許容される限界を超えてきてしまったという秋元の現状認識である。
秋元は数十年来続いていたその「恋愛禁止」という古くからの風潮を参照して、AKB48で「恋愛禁止条例」という「ネタ」を展開した
http://realsound.jp/2015/06/post-3615.html