スイカに肉薄 地域密着で4000万枚突破したイオンの電子マネー「WAON」レジで端末にICカードをかざすと、かわいい犬の鳴き声が聞こえる-。
イオングループのスーパーの店内ではあたりまえの光景だ。
イオングループが電子マネーカードを登場させたのは平成19年4月。
レジの前で1円単位で小銭を探すのに手間取り、後ろに並んでいる人から冷ややかな視線を浴びた経験を持つ人は少なくない。
イオンは「レジでの決済を迅速かつ簡単にできる方法があれば、顧客満足が高められるのではないか」と考えたのだ。
電子マネーをめぐっては、13年にサービスを始めたソニー主導の「Edy(エディ、現・楽天Edy)」やJR東日本の「Suica(スイカ)」などが先行していた。
“後発組”のイオンは、電子マネーの決済端末機に着目した。
当時の端末機はそれぞれの電子マネー専用だったが、イオンは競合する複数の電子マネーに対応した端末機を開発。
これをイオングループの店舗に設置したほか、牛丼チェーンの吉野家やファミリーマート、ビックカメラなど業種業態を問わず加盟店を増やしていった。
加盟店にとっては、ワオンのメーンユーザーである女性客の来店増や、店に置く釣り銭が減らせるなどのメリットがある。
この戦略が功を奏し、利用者が爆発的に増加。利用可能な端末機は自販機や携帯型端末を含めて約17万5000カ所に及ぶ。
ワオンの3月末現在の累計発行枚数は3980万枚で、毎月50万枚前後増えておりスイカの約4702万枚(4月末現在)が視野に入る。
上山本部長は「さまざまな企業などとの提携により、ワオンが幅広く使える世界を作ることを優先した」と話す。
ワオンは派生サービスにも取り組んだ。
19年11月には携帯電話を使った「モバイルWAONワオン」を開始したほか、対象年齢を55歳以上に限定した「G.G WAON」を投入。
他の電子マネーの年代別構成比では「30代からの層が最も多い」(イオン)というがワオンは50代以上が48.9%と最も多くなった。
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/140518/biz14051818000002-n1.htm