児童養護施設出身ボクサーら『明日、ママがいない』の感想語る
2014.01.23 16:00
「・・・でも、いまの時代はあんなことはしません。現代では大学などで専門の資格を持った施設長や職員が採用され、子供の人権を大切にした対応をしていると思います。
それに、どこの施設でも、子供の呼び名をドラマのようなあだ名では呼ばないようになってきています」「ここ数年は、親に虐待されて入所してくる児童が多いので、ちゃんと名前で呼んであげようという意味もあるんです。
家庭ではなかなか名前で呼んでもらえなかった子供もいるので、本来あるべき家庭環境になるべく近い中で生活できるように呼び名についても気をつけているんです。
きちんと名前で呼ばれることで安心して施設内で生活できる。その点だけでも、あのドラマは今の児童養護施設の現状をきちんと捉えられていないと思います」施設出身者や里子など社会的養護の当事者が、互いに支え合い、当事者の声を発信する『日向ぼっこ』の代表理事を務める渡井隆行さんも同じ意見だ。
「私は小学3年生から高校卒業まで施設に入所していましたが、笑っちゃうくらい児童養護施設とは違うと感じました。
ドラマのように、入所している子供たちが別の子供たちの生い立ちや経緯を知っていることはまずあり得ませんよ。
職員が情報を流すこともありませんし、子供たちの間でも相手の過去を探ることはタブーでしたよ」これには、児童養護施設出身の元プロボクサー・坂本博之さん(43才)も口を揃える。
「まず他の子とプライベートな話はしません。いろんな思いを抱えてますから、“何でここに来たんだ?”なんて聞かないし、そういう話自体しません。
それに親が迎えに来たり、面会するようなことがあっても、施設が配慮して他の子には見せないようにします。里親に会う時も同じです。子供たちに動揺や不安がないよう配慮しているんです」※女性セブン2014年2月6日号
(一部略)
http://www.news-postseven.com/archives/20140123_237786.html