マルハニチロ臨時株主総会 安全管理に批判続々
食品大手「マルハニチロホールディングス」は30日、東京都内で臨時株主総会を開いた。子会社のアクリフーズ群馬工場で起きた農薬混入事件について、株主からは安全管理態勢への批判が相次ぐ一方、「群馬の工場を守ってほしい」との声も聞かれた。
株主総会は午前10時から約1時間半行われた。マルハ社の久代敏男社長は冒頭、工場の安全管理態勢、商品回収までの対応の遅れ、混入した農薬マラチオンの健康影響評価を誤認したまま発表したことの3点に問題があったと説明、「グループ総力を挙げて信用回復に努める」と謝罪した。
会場に詰めかけた株主543人の質疑は、事件の経営への影響に集中した。「事件を起こしたアクリフーズのグループ再編を見直さないのか」との株主の問いに久代社長が「長年にわたり消費者から信頼いただいている。
(再編で)アクリブランドの再生を図りたい」と答える場面も見られた。
株主として総会に参加した東京都墨田区の男性(76)は「会社の安全管理が甘い。社長辞任という形でうやむやにせず、再発防止を徹底してもらいたい」と非難。愛知県西尾市から出席した男性(68)は、「従業員の待遇を向上させ、愛社精神を持てるように改善すべきだ」と指摘した。
一方、さいたま市見沼区の株主の男性(76)は「悪い所は切るという考えで工場を閉鎖するのではなく、工場を守りながら努力してほしい」と話した。
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/gunma/news/20140130-OYT8T01403.htm
新たに4件から農薬、最高値は基準の150万倍
食品大手「マルハニチロホールディングス」(東京都)の子会社「アクリフーズ」群馬工場(群馬県大泉町)で製造された冷凍食品に農薬マラチオンが混入していた問題で、同社が29日までに苦情を受け、回収して調べていた商品20件のうち、新たに4件から農薬が検出され、混入が確認された商品は計9件となった。
9件は、東京、神奈川、静岡、愛知、大阪、福岡の少なくとも6都府県の消費者から回収されていた。
群馬県は30日、食品衛生法に基づき工場を立ち入り調査したが、生産ラインが独立していることなどから、「原材料に付着していたり、通常の製造工程の中で混じったりした可能性は低い。故意の混入も否定できない」との見解を示した。
苦情のあった商品は、群馬県外に3か所ある同工場の製品保管倉庫すべてから出荷されていた。
群馬県警は同日、アクリフーズ社員への事情聴取を始めた。
同社によると、商品から検出されたマラチオンの最高値は、国の基準値0・01ppmの150万倍にあたる1万5000ppmだった。
(2013年12月30日23時16分 読売新聞)
立ち入り検査を終えてアクリフーズ群馬工場を出る群馬県の職員ら=阿部雄太撮影
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20131230-OYT1T00534.htm