安倍首相の後継者問題に新展開 司法試験諦めた甥が準備か
政治記者の間で長く“取材テーマ”となってきたのが安倍晋三・首相一家の後継者問題である。岸信介、佐藤栄作、安倍晋三と3人の総理大臣を輩出した名門ファミリーにとって、「血脈の次世代を誰に託すか」は長年の懸案事項だったが、新たな展開を迎えている。
安倍首相と昭恵夫人の間に子供はいない。そこで後継者候補と目されてきたのは甥にあたる2人の若者だ。一人は安倍首相の兄・寛信氏(三菱商事パッケージング社長)の長男・寛人(ひろと)氏。もう一人は弟で、岸信夫・外務副大臣の長男・信千世氏である。
寛人氏は2013年に慶応大学法学部を卒業後、同大学法科大学院(ロースクール)に進学。
信千世氏は2014年に慶応大学商学部を卒業後、フジテレビに入社した。安倍首相の母・洋子氏は、2014年末に古参後援者に、「寛人に晋三の後を継がせることになった」と語ったという。
しかし本誌が2015年12月に寛人氏の自宅を訪ねると、母親と思しき女性が、「本人は政治家になるつもりはないようです。(ロースクールで)勉強しながら弁護士を目指しています」と語っていた。
一方の信千世氏は、政治の道への意欲を見せている。
<首相靖国参拝>米「失望」に政府危機感 防衛相協議延期
安倍晋三首相の靖国神社参拝を受け、米国務省は26日、「失望した」とのサキ報道官声明を発表した。
在日米大使館声明と同じ内容だが、大使館声明にとどまらなかったことで、米政府の姿勢がより明確になった形だ。
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設に向けた同県の埋め立て承認に関し、27日に予定していた小野寺五典防衛相とヘーゲル国防長官の電話協議も延期されるなど、首相参拝の影響はさらに深刻化している。
首相に事務方は26日、大使館声明について「『失望』は外交的にはそんなにきつい表現ではない」と説明。米側が一定の配慮を示したと受け止めていた。
だが、さらに国務省報道官声明が出たことで、危機感は高まっている。
首相は27日、首相官邸で記者団に、「戦場で散っていった方々の冥福を祈り、リーダーとして手を合わす。これは世界共通のリーダーの姿勢だろう」と参拝の正当性を強調したうえで、「そのことを理解していただくように努力していきたい」と付け加えた。