http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170503/k10010969821000.html?utm_int=news_contents_news-main_003
先月自殺した仙台市の中学2年の男子生徒が、去年、担任の教諭に「同級生からズボンを下げられ、冷やかされた」と訴えていたことがわかりました。
市の教育委員会もこの訴えを把握していましたが、当初は明確にいじめがあったという認識を示していませんでした。
先月26日、仙台市の中学校に通う2年生の男子生徒が、休み時間に学校を出て、自宅近くのマンションから飛び降りて死亡し、警察は自殺したと見ています。
学校側は、男子生徒が去年6月に学校で行われたアンケートに「悪口を言われる」と答えていたとして、今月1日になって、いじめがあったという認識を示しましたが、先月の時点では、明確にいじめがあったという認識は示していませんでした。
ところが男子生徒は、去年11月のアンケートにも「恥ずかしいことをされる」と回答し、担任に対し「同級生からズボンを下ろされ、冷やかされた」と訴えていたことが、教育委員会への取材でわかりました。
文部科学省のガイドラインでは「多くの生徒の前でズボンと下着を脱がされ裸にされた」といった事例は、生徒の心身に重大な被害が生じるいじめの重大事態とされています。
教育委員会は、当初いじめがあったという認識を示していなかったことについて、「いじめがあったことを否定していたわけではないが、先月29日の校長の説明は不十分だったと反省している」としていて、ズボンを脱がされた件については「生徒の個人情報や尊厳に関わる話で、遺族の了解もとっていなかったので、公にするものではないと判断した」としています。
教育委員会は今後、いじめと自殺に関係があったか調査することにしています。