携帯電話の料金引き下げの方策を検討してきた総務省の有識者会議が16日に取りまとめる報告では、他社からの乗り換えを促すため、利用者に商品券などで多額のキャッシュバックを行う販売方法の取り扱いが焦点の1つになっています。
これについてNTTドコモは、乗り換える利用者だけを優遇し、不公平だという指摘を踏まえ、キャッシュバックを廃止する方針を固めました。
安倍総理大臣の指示を受けて携帯電話の利用料金を引き下げる方策を検討してきた総務省の有識者会議は16日、報告を取りまとめることにしています。この中で、大手通信各社が顧客を増やそうと他社からの乗り換えを促すため、商品券などを提供する形で、場合によって十数万円ものキャッシュバックを行う販売方法の取り扱いが焦点の1つになっています。
これについて、キャッシュバックの元手はすでに加入している利用者の通信料金であり、不公平だという指摘があることから、NTTドコモはキャッシュバックを行う販売方法を廃止する方針を固め、およそ2400に上る全国の販売代理店への監督や指導を通じて徹底させることになりました。
また、NTTドコモはキャッシュバックとは別に、乗り換える利用者を対象にスマートフォンの端末の料金を実質0円などとうたって販売する手法についても、一部見直して、不公平感を解消したいとしています。
多額のキャッシュバックを行う販売方法についてはKDDIやソフトバンクも、見直しを検討していて、元手になっているすべての利用者の通信料金がどれだけ安くなるか注目されます。
中古携帯市場の拡大策検討へ
大手通信各社が多額のキャッシュバックや、スマートフォンの端末の料金を実質0円などとうたう販売方法を見直した場合、実質的に端末の購入価格が値上がりすることになり買い替えが進まなくなるという指摘が出ています。
このため総務省の有識者会議は利用者の選択肢を増やそうと、16日に取りまとめる報告の中で、いわゆる「格安スマホ」の利用者を増やす対策に加え、中古のスマートフォンの市場拡大が必要だとする提言を盛り込むことになりました。
これを受けて政府は、中古市場の拡大に向けた支援策の具体的な内容を検討することになります。
東京・渋谷の中古の携帯電話を販売する店ではスマートフォンの人気機種の中古品を、新品と比べ30%ほど安い価格で販売していて販売方法の見直しによって、中古品への関心も高まると見ています。
この事業を手がけるレンタル大手「ゲオ」の担当者、富田浩計さんは「まだまだ認知度が低いが、スマートフォンの中古品が売買できることを広く知ってもらえれば、消費者はより少ない負担で利用できるようになる」と話しています。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151215/k10010341191000.html