<台風18号>家、再建しないと…浸水被害、後片付け疲労濃く
越幸田さん方では床上20センチ以上も浸水。収納庫にたまった水をバケツで掃き出し、1階の畳や荷物を取り出す作業に追われた
一面を覆う泥と水。「これからどうすれば」。被災者は姿を変えた町をぼうぜんと見詰めた。
茨城県常総市の鬼怒川堤防決壊から丸1日が経過した11日、現場では孤立していた住民らの救助が進む一方、捜索は思うように進まない。宮城県でも堤防が決壊、救助を求める声が相次いだ。
県東部を中心に浸水被害が多発した埼玉では、市民や行政が後片付けや被害の確認に追われた。
■家に水「どうすることも」
前日10日に大量の水がたまった越谷市の東武スカイツリーラインせんげん台駅東口の「博文堂書店」では、店員ら約35人が早朝から片付けに追われた。浸水で店内の約7割の商品が水にぬれ、処分する本が店頭に山積みになった。
店長の小暮宣幸さん(45)は9日夕方から店の出入り口に止水板を設置したり、足元に保管している本を50センチほどの棚の上に移動するなどしたが、浸水を防げなかったという。「明け方に水位が上がってから、あっという間だった。
バケツやポンプで水を外に出したが、なすすべがなかった」とうなだれた。
幸田国博さん(45)方では10日午前4時ごろから床上浸水し同日午朝、母ふみさん(71)とともにボートで救出された。幸田さんは11日早朝から近隣住民の手を借りて片付けに追われていた。
幸田さんは「まさか床上まで浸水してくるとは想定していなかった。
1階部分が駄目になってしまい、建て直さないといけない」と肩を落とした。
http://www.saitama-np.co.jp/news/2015/09/12/02.html