「やっと日常が戻った」 地元住民、再稼働に安堵の声
「ようやく日常が戻った」。川内原発がある薩摩川内市の中心部で、民宿を営む永井康太郎さん(66)はそんな気持ちで再稼働の朝を迎えた。
13カ月ごとにある川内1、2号機の定期検査の際は、約1200人の原発関係者が市内のホテルや民宿を拠点に原発に通う。永井さんの民宿でも客の7割は原発関係者。
検査時の稼働率は9割を超えていたという。
しかし東京電力福島第1原発事故後に1、2号機の運転が停止し、経営は一気に傾いた。
稼働率が1割に満たない日も珍しくなく、土地と車を売って何とか廃業を逃れた。
原発立地で活性化した街の経済は、ひとたび原発が停止すれば大きな打撃を受ける。
市は1、2号機の運転停止後の平成24~26年度、緊急経済対策として計約1億2千万円の予算を組んで商業振興を図ったが、街に活気が戻ったのは再稼働に向けた安全対策工事が始まってからだった。
永井さんは「街は原発中心の産業構造でやっていくと決めた。地域経済のことを考えれば再稼働の時期は遅いくらいだ」と訴えた。
地元のタクシー運転手の男性(68)も、再稼働に「ほっとした」と安堵(あんど)の表情を見せた。
原発の運転停止後、乗客が激減。売り上げは月15万円減った。「地元は原発と共存関係にある。
電力が不足する九州以外の地域にとっても、再稼働は歓迎すべきことだ」と話す。
http://www.sankei.com/west/news/150811/wst1508110053-n2.html