あなたの身の回りに、30代、40代になっても家族と同居して、結婚もせずにのんびり生きている知り合いはいないだろうか? 僕の周囲には、ここ10年のうちにそういう人が増えてきたような気がする。
総務省の調査によると、20歳から44歳の「パラサイト・シングル」は1985年には21%だったのが、2012年には33.5%に増えている。5人に1人から、3人に1人になったということだ。
番組では70代の両親と同居する、45歳の会社員男性のパラサイト・シングル生活について取材を行っていた。
この男性、家事などの身の回りの世話を両親にやってもらい、気ままに働きつつ、趣味に時間とお金を投じ、休日は旅行やライブに出かけるという。
自宅には月に7万円の生活費を入れていると話す。35歳くらいまでは、親から「(結婚は)どうするの?」と聞かれていたが、今は何も言われなくなった。
もうあんな好景気なんか来ないし
取材班が結婚願望について質問すると「ない」と即答する男性。いまひとり暮らしをすれば「両親が逆に寂しがるのではないか」とも。
自堕落といえばそれまでの話なんだけど、これも時代の流れなのかもしれない。
「この恵まれた環境を、無理して脱却しなくてもいいのでは?」
男性はそう考えているわけだ。まして現在、景気は男性の両親が現役だった時代とは全く異なる状況だし、当時のモーレツ社員たちが今の社会で頑張ったところで、昔のような報酬は期待できないはずだ。
ただし、特集の最後にはこんな話題に触れている。学習院大学の鈴木亘教授の言葉によると、パラサイト・シングルが両親に依存する関係は、両親に介護が必要となった場合、逆転することになるというのだ。
当たり前のことだけど、こうなったらもう家族に甘えてはいられない。経済的に困窮することのないように、今までの恩返しをするのがせめてもの務めだ。両親だっていつまでも元気で養ってくれるわけでもない。
いずれは天国に旅立つし、そうなれば年金にも頼れなくなる。
パラサイト・シングルというライフスタイルは否定しないし、むしろ僕は「アリ」だと思う。
スタジオでも「働いて税金納めているんだから問題ない」と擁護する声があったが、貯金だけはしておくに越したことはないだろう。
http://getnews.jp/archives/1007090