新国立競技場:工事費、「3000億円」設計会社提示無視 JSC、過少見積もり1625億円
http://mainichi.jp/shimen/news/20150807ddm001050203000c.html
2020年東京五輪・パラリンピックの主会場となる新国立競技場の建設問題で、事業主体の日本スポーツ振興センター(JSC)が昨年5月、基本設計の概算工事費を過少に見積もって公表していたことが、関係者の証言で分かった。
設計会社側が約3000億円と提示したのに対し、JSCは資材の調達法や単価を操作するなどして1625億円と概算していた。
正確な額が公表されていれば、計画見直しが早まった可能性がある。
1625億円の根拠は7日に始まる文部科学省の検証委員会でも議題となる。
JSCは昨年5月、基本設計を発表した。
8万人収容で開閉式屋根を持つ新競技場は地上6階、地下2階の鉄骨造りで延べ床面積は約21万平方メートル。
概算工事費は1625億円とした。
関係者によると、昨年1月から本格化した基本設計の作業で、設計会社側は概算工事費を約3000億円と試算した。
しかし、JSCは「国家プロジェクトだから予算は後で何とかなる」と取り合わなかった。
JSCは1625億円を「13年7月時点の単価。消費税5%」の条件で試算した。
さらに実際には調達できないような資材単価を用いるなどして概算工事費を過少に見積もったという。
基本設計発表の半年前の13年末、財務省と文科省は総工費を1625億円とすることで合意しており、JSCはこの「上限」に合わせた可能性がある。
ある文科省幹部は「文科省の担当者が上限内で収まるよう指示したのではないか」と指摘している。
今年2月、施工するゼネコンが総工費3000億円との見通しを示したことでJSCと文科省は総工費縮減の検討を重ね、下村博文文科相が6月29日、総工費2520億円と公表した。
しかし、膨大な総工費に批判が集まり、政府は7月17日に計画を白紙撤回した。
JSCは「政府部内の調整を経た結果、13年12月27日に示された概算工事費を超えないよう基本設計を進めた。
基本設計に記載した1625億円は、設計JV(共同企業体)側とも確認のうえ算出した」と文書で回答した。
総工費の高騰が問題となっている新国立競技場のデザイン選考について、審査委員長を務めた建築家の安藤忠雄氏(73)が11日放送の日本テレビ系(読売テレビ制作)「ウェークアップ! ぷらす」(土曜・前8時)にコメントを寄せた。
安藤氏がコメントするのは問題が浮上して以来、初めてとなる。
「安藤忠雄建築研究所」の名前で、番組の司会を務めるキャスターの辛坊治郎さん(59)宛に出されたファクスでは「コンペの与条件としての予算は1300億円であり、応募者も認識しています。提出物には建築コストについても示すように求められていました。
それは当然評価の一つの指標となりました」と明記。
下村博文文部科学相が10日の閣議後の会見で発言した「値段(総工費)とデザインを別々にしていたとしたら、ずさんだと思う」との言葉に反発した。
また、辛坊さんによると、安藤氏は「デザイン決定後の基本設計や実施設計には、審査委員会はかかわっていない」と話していたといい、最終的な計画概要の2520億円という金額に関しては「辛坊ちゃん、何でこんなに増えてるのか、分からへんねん!」と驚いていたという。
安藤氏が7日の有識者会議を欠席した点に関して辛坊さんは「しゃべりたい気持ちは満々らしいが、周囲から止められているらしい」と聞いているとした。
http://www.hochi.co.jp/topics/20150711-OHT1T50099.html
下村文科相「五輪は屋根なし前提だった」 2015年6月1日6時0分??スポーツ報知2020年東京五輪・パラリンピックのメイン会場となる新国立競技場で、開閉式屋根を五輪で見送るなど整備計画が大幅に見直される問題で、下村博文文部科学相は31日、「(19年ラグビーW杯、五輪はフィールド部分を覆う開閉式)屋根がないのが前提だった」と述べた。
五輪招致活動の際、屋根が開閉するイメージシーンをPRしていたが、「開閉式屋根は五輪とは関係のない話」とした。
フジテレビ系「新報道2001」に出演し、明らかにした。
また、開閉式屋根を五輪後設置とする理由について「(旧国立は)騒音問題で年に1、2回しかコンサートを開けなかった。
運営費が赤字になるので、10回以上のコンサートを開けば黒字になる」との試算を明らかにした。
http://www.hochi.co.jp/topics/20150531-OHT1T50275.html