維新、水面下で繰り広げた工作は…大阪都構想
橋下徹大阪市長(維新の党最高顧問)が政治生命をかけて臨んだ「大阪都構想」の住民投票は、反対多数に終わった。
維新の党が水面下で繰り広げた工作と各党の対応を検証する。
◆企業詣で
「公明党支持層は、自主投票で変わりはありませんよね?」
維新の党幹部は、住民投票の告示(4月27日)から間もない5月初め、公明党の支持母体・創価学会幹部に電話をかけ、同党支持層の動向に探りを入れた。「公明党本部が都構想『反対』にかじを切った」とのうわさが流れたためだ。
創価学会幹部は、自主投票に変わりがないことを伝える一方、「橋下氏は、自民、民主、公明、共産を一緒くたにして抵抗勢力のように言っているが、それでは公明支持層は維新に反感を持つ」とくぎを刺した。
維新の党内では楽観論もあった。4月12日に行われた大阪市議選では、橋下氏が率いる地域政党・大阪維新の会が第1党の座を維持した。「橋下氏の発信力は絶大だ。カネもかけている」という声もあった。
一方で、勝利を確信することは出来なかった。
5月上旬、片山虎之助・維新の党総務会長は、関西電力の経営陣に頭を下げ、都構想への理解を求めた。
橋下氏と関西電力は、原発再稼働をめぐって関係が悪化したことがあった。同社関係者は「維新は相当焦っているんだな」と漏らした。
同党国会議員による「有力企業詣で」は続いた。
◆世論調査に衝撃
維新の党に衝撃が走ったのは、5月11日の月曜だった。報道各社の世論調査で劣勢が伝えられたためだ。
同党幹部は「公明党支持層が自主投票のままでは負ける」と考え、創価学会幹部に「5特別区のうち、いくつかの区長を公明党に譲ってもいい」と打診した。
都構想は、大阪市を廃止し、五つの特別区を新設するものだ。公明党が都構想に賛成した場合、見返りとして、公選の区長ポストを譲るという案だ。だが、創価学会側はにべもなかった。支持層の「反維新」の思いは強まっていたためだ。
維新の党の江田代表は、劣勢であることが判明すると、松野幹事長に電話し、「負けたらおれも辞任する」と伝えた。
http://www.yomiuri.co.jp/politics/20150519-OYT1T50010.html
これが維新のやり方