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【AIIB】中国「日本よ、バスのドアはまだ開いている」


「ドアは開いている」AIIB総裁、日米に参加呼びかけ

中国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)の金立群総裁が来日中の5日、朝日新聞のインタビューに応じ、未参加の日米両国に対し「ドアは開いており、道は残っている」と呼びかけた。

中国が提唱する「シルクロード経済圏構想」(一帯一路)の関連投資については、「AIIBの投資基準で審査して、あっていれば承認する」とし、通常案件と同じ扱いとする考えを示した。

日米はアジア開発銀行(ADB)に軸足を置き、AIIBへの参加を見合わせてきた。
金氏は、職員の採用や事業の入札で日米の人材や企業は「公平に扱われる」と述べ、非政府分野の協力に期待を示した。

自民党の二階俊博幹事長が4月、香港メディアの取材に「(AIIBに)参加する可能性もあるという風に見ていただいて結構だ」と述べたことに対しては、「理事会はどんなメンバーと働くことも喜ぶだろう」と述べた。

AIIBは2016年1月に開業し、ADBや世界銀行と協力してアジアのインフラへ投融資を進めてきた。
金氏はADBの協力に「深く感謝している」と述べた。


【AIIB】 中国高官「日本には絶対に参加して欲しかった。副総裁のポストまで用意したのに…」

3月22日、北京の釣魚台迎賓館。ひとりの中国政府高官がアジア開発銀行(ADB)総裁、中尾武彦(59)に早口の英語で語りかけていた。

「やはり日本にもぜひ参加してほしい。必要なら私が日本に出向く」

高官の名は金立群(65)。財政次官やADB副総裁を歴任した。国家主席、習近平(61)の意を受けて年内に発足するアジアインフラ投資銀行(AIIB)の初代総裁と目される人物だ。

金は何としても日本を引き込みたかった。創設メンバーとなるための申請を締め切る3月末まで残り9日しかない。
日本側で交渉の窓口役を担う財務省出身の中尾との接触は、金にとって最後の賭けだった。

金に勝算がなかったわけではない。実は水面下で、日本が創設メンバーになった場合の「優先待遇」をひそかに伝えていた。
「筆頭格の副総裁、そして日本単独の理事ポスト」である。

これなら日本は乗ってくるかもしれない。金のもくろみは外れる。中尾は「来日は歓迎する」と答えただけで、会談後に「日本がすぐに手を挙げるのはムリだ」と周辺に漏らした。日本人を筆頭格の副総裁として迎え入れる構想は、まぼろしに終わった。

金はなぜ日本の参加にこだわったのか。「人材だけでも出してもらいたい」。昨秋、北京を訪れた日本の財務省幹部は、極秘に会った金からこう頼まれた。

中国の力だけで一流の国際機関を育てられないことは、だれよりもわかっている。人材面で日本の助けが欲しかった。

ADBの副総裁時代には総裁の黒田東彦(現日銀総裁、70)に仕えた。
日本で財務官として長く国際金融の最前線に立ってきた黒田の手腕を、金は間近で見ている。

東南アジア諸国から、日本を誘うよう金を突き上げる声も上がったようだ。北京の外交筋は「中国の抑え役を日本に期待する国は多かった」と話す。
アジアの国々を引き入れるためにも、金は日本の参加を望んだ。

しかし、日本は首を縦に振らない。米国の顔色ばかりを気にして「組織運営が不透明」「融資審査の基準がわからない」などと、参加できない理由を積み上げているようにしか見えなかった。 業を煮やした金は、欧州勢の切り崩しに軸足を移し始める。
http://www.nikkei.com/article/DGXLZO85646120U5A410C1SHA000/