昨年9月に、都内のラーメン店で座席を巡ってトラブルになった男性客(当時49歳)の腹部を踏みつけるなどして死亡させたとして傷害致死罪に問われた東京都足立区の元会社員・今西伸一郎被告(38)の裁判員裁判公判が19日行われ、東京地裁(園原敏彦裁判長)は、懲役7年を言い渡した。
今西被告は黒のスーツ、青いネクタイ姿で出廷。園原裁判長から証言台に立つよう言われた時のみ「はい」と返事し、神妙な表情で判決理由を聞いていた。
検察側によると、今西被告は昨年9月27日午前0時ごろ、飲食をしていた東京都北区JR田端駅近くのラーメン店で、座席を巡って後から来た男性客とトラブルになり、襟首をつかんで床に倒した上、頭部や腹部をアウトドア用ブーツで蹴ったり、踏みつけたりの暴行を加え、死亡させた。
園原裁判長は「(被告は)体重120キロの体格で、抵抗・防御をしない相手に対して一方的で激しい暴行を加えたとし「相手のささいな言動に立腹しており(量刑を)軽くする事情は見あたらない」とした。検察は、今西被告が暴行後に救命措置などをとらず、みそラーメンと半チャーハンを注文して飲食を続け「刑務所に行くので最後の晩さんだ」などと供述した点を考慮すべきと主張したが、園原裁判長は「眉をひそめるべきことではあるが、刑罰の目的に(考慮することが)有意なものとは言えない」とした。
今西被告は初公判では「このまま警察に捕まると、多分、ちゃんとしたものが食べられないので、ラーメンセットを頼んだ」などと証言していた。
傍聴席では今西被告の親族とみられる60代ぐらいの女性が判決言い渡し前後から嗚咽(おえつ)をし始め、閉廷後には動けなくなり、担架で救急搬送された。
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