米国のシャーマン国務次官は27日、戦後70年の節目についてワシントンで講演し、「ナショナリスト的な感覚で敵をけなすことは、国の指導者にとって安っぽい称賛を浴びる容易な方法だが、それは感覚がまひするだけで、進歩は生まない」と語り、日中韓の指導者に自制を求めた。
シャーマン氏は、過去の歴史が将来の協力をどう妨げるのかと問いかけ、「これまでは北東アジアの関係はスムーズとは言えなかった」。日中の尖閣諸島をめぐる緊張や、日韓の慰安婦や教科書の記述をめぐる問題などを例に挙げ、「これらは理解はできるが、同時に欲求不満がたまるものでもあった」と指摘した。
米国は地域の安定に向け、日中韓と協力を進める考えを強調。今年は中韓が戦勝や解放70年などを記念する式典を予定し、日本も戦後70年の首相談話を出すことを念頭に、各国の指導者が「挑発的」な言動を控えることを求めた。そのうえで、昨年11月に日中首脳が握手をしたことは「正しいシグナルを送った」と歓迎し、日中韓の首脳会談開催にも期待を示した。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150301-00000001-asahi-int