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【日経速報】新型iPhone、熱狂の裏に「陰り」

20日に発売された米アップルの新型スマートフォン(スマホ)「iPhone5s」「同5c」の売れ行きに異変が見える。
東京都心にあるアップルストアや家電量販店の発売セレモニーには、これまでと同様に数百人が行列し盛り上がりを見せたが、その一方で発売初日にもかかわらず売れ残りが出ている。
過去の熱狂ぶりと比べると、その存在感に陰りが見え始めた。

■行列途切れても「在庫あります」
20日午前8時、東京都千代田区のドコモショップ丸の内店。
NTTドコモ版のiPhoneを待ち望み、店頭に並んだ人は300人超にふくれ上がり、店舗の周囲をほぼ1周。
9時前には早々と同日の購入受け付けを締め切った。

近くのアップルストア銀座(東京・中央)には700人が列を成し、ビックカメラ有楽町店(東京・千代田)はドコモ版で100人、KDDI(au)版とソフトバンクモバイル版で各70人の行列ができた。ところが……。

同日午後。「iPhone5s、今なら在庫あります。すぐお持ち帰りいただけます!」。
都内の複数の家電量販店では、行列が途切れた後もiPhone5sを完売できていない。
店舗により在庫状況は異なるが、本体色が黒(スペースグレー)のモデルや記憶容量32ギガバイト(GB)のモデルで「在庫あり」が目立つ。

発売1週間前の13日から予約を受け付けている低価格モデルのiPhone5cは、大半の店舗で5色いずれも在庫が残っている状態だ。
ツイッターやフェイスブックでも「行列覚悟で行ったらあっさり買えた」「出かけたついでに販売店に寄り道したら在庫があった」といった書き込みが相次いでいる。

これまでのiPhoneといえば、家電量販店では予約のみで初回出荷分に達し、入手までに数週間~数カ月かかるのが当たり前。
どうしても初日に欲しい人は、わずかな可能性に懸けて当日販売のみのアップルストアに並ぶというものだった。
発売初日に売れ残るのは異例だ。