夫婦の闘い1年余、子の命名に道 「天巫ちゃんよかった!」
天巫ちゃんと勝訴を喜ぶ斎藤直正さんと妻淳子さん=2日、三重県松阪市
「天巫(あみ)!日本で初めての名前だよ、よかったねえ」。娘の誕生から1年余り、行政相手の命名訴訟の末、人名用漢字にない「巫」の字を戸籍に刻んだ夫婦は勝訴が決まったその夜、静かに祝杯を挙げた。
弁護士を立てない本人訴訟で、法務省の規則改正に道を開いた三重県松阪市の斎藤直正さん(44)と妻淳子さん(41)が11日までに取材に応じ、「役所への恨みはもうない。おかしいことをおかしいと言えるのはこの国の素晴らしいところ」と闘いを振り返った。次女天巫ちゃん(1)は、母親の胸で屈託のない笑顔を見せた。
生まれたのは昨年6月8日。隣接する伊勢市の伊勢神宮では20年に1度の式年遷宮が行われていた。
神様と人間をつなぐ「巫女」と「天照大神」。思いを込め、1字ずつ取った名を松阪市役所に届けようとしたが、登録を拒否された。
「戸籍が汚れますよ」。役所で聞いた一言が心に火を付けた。
名はいったん「未定」としたが、住民票や子ども手当の受給証などはもらえなかった。
書くのも読むのも難しくない、何より日本文化に深く根付いた「巫」を使えないのは絶対におかしい―。
夫婦は裁判で出生届の受理を求める道を選んだ。
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今年3月、津家裁松阪支部は「巫の字は伊勢神宮のある三重県はもとより、日本全国に神社のあるわが国では社会一般に十分周知されている」と夫婦の訴えを認めた。
二審の名古屋高裁でも勝訴。
市は「最高裁には上げない。名前を認めます」と電話で伝えてきた。戸籍登録が完了したのは8月だった。
命名訴訟で親側の勝訴が確定すると、法務省が戸籍法施行規則を改正する。
天巫ちゃんが第1号となった「巫」は近く、人名用漢字に追加される。
「名前は親から子への最初のプレゼント。それが最高のプレゼントになりました」2014/12/11 17:38 【共同通信】 全文はうぇbで
http://www.47news.jp/CN/201412/CN2014121101001427.html