言ってしまえばブラックホールも天体のひとつなわけだが、あまりに高密度で重力が強いため物質だけでなく、光すらも脱出できない。それゆえ、近くを通る星は一瞬にして吸い込まれ、跡形もなく消えてしまう。 これまでX線観測衛星の記録を元に解析した、星を飲み込む瞬間の再現映像はあった。が、実際の様子を捉えたのはこれが初めてたそう。 「ブラックホールに接近する恒星の潮汐破壊を赤外線エコーによる撮影でこんなにも鮮明に確認できたのは初めてですよ」、とはNASAでブラックホール研究の指揮をとるジョンズ・ホプキンス大学Sjoert van Velzen研究員のコメント。潮汐とは、恒星の表面をぐにゃぐにゃに破壊しながらブラックホールの中へと吸い込む現象のこと。潮の満ち引きの超強力版とでも言ったところか。