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【相撲】 ブルガリア出身・琴欧洲親方 「日本は先進国だと思ってたら、時代劇の世界だった。」

http://www.oricon.co.jp/news/2042595/full/
「日本といえば、先進国のイメージがあったけど、相撲部屋に入門して、まるで時代劇の世界に入ったような感覚でしたね。
『何時代だよ!?』って(笑)。 誰も何もしてくれない。練習の方法や、しきたり、食事、睡眠など全て何も教えてくれないですから。
自分で理解して直ぐに実行する。じゃないと怒られるからね」(琴欧洲親方)。

元々、アマレスで母国を代表する選手だっただけに体力的な辛さはそれほどでもなかった。
問題は日本での生活、特に相撲部屋での共同生活や上下関係など、角界独特のしきたりには何度も心が折れそうになった。
当時は日本語を話すどころか、理解することすらままならない状況だけに尚更だろう。

「人間扱いされなかったですね(笑)。『とにかく耐えるしかない!』って自分に言い聞かせてました。
段階ごとに色々な自由が与えられるので、『ここを我慢すれば、次に行ける!!』っていうことの繰り返しでね。
もう本当に細かいことですよ。『これを耐えたら、自転車に乗れる』とか(笑)」「余りにも強さと関係ない決まり事は変えたかったですね。ただ、全てを変えてしまうのもいけないと思う。
昔から伝わる、苦しい稽古を経験して乗り切ることで“自分に勝つ”ことができるから。自分に勝てない人は、絶対に相手に勝てないから」(琴欧洲)。

現在は伝統的な精神論と、科学的根拠に基づいたトレーニングや食事法を融合させた指導で、未来の横綱を育てるために日々模索している。

「根性論も必要です。だから、難しいところ(笑)。悔しい思いをさせることは絶対に必要だし、そこから自分に何が足りないのかが分かるから。
でも、それが“いじめ”にまでなってしまうと、何も意味のない稽古になってしまうので」。

親方としての立場よりも、ひたむきに稽古に明け暮れていた現役時代の方がはるかに楽だと苦笑する親方。
現在は暗中模索の段階と言いながらも、その目からは“指導者”としての自信と勝算がうかがえ知れる。
「色々記録を作ることは出来たけど、やっぱり横綱にはなれなかったので。
今度は僕自身が育てた力士が横綱になるところが見たいですね。やり甲斐はありますよ!」。